
新型コロナウイルスで世界中パンデミックに・・・。
旅行どころか会社に行くことも徐々に難しくなってきているこの世の中で、テレワークが進んできています。
テレワークは、新型コロナウイルスが終わっても新たな仕事のやり方(働き方改革)で残る可能性が高いと言われています。
テレワークを始めるためには色々と設備の準備が必要となります。
そのためにはVPNと言われている通信技術を使えるようにする必要があります。
実はVPNは、無料で使えるものと有料で使えるものがあるのですが、今回は無料で利用できる『VPN Gate』についてお話したいと思います。
目次
VPN Gateとは?
VPN Gateのサイトにもありますが、筑波大学が『学術的な研究を目的とされているオンラインサービス』です。
VPN Gateを使うことで、下記の3つの利点を得ることができるそうです。
- 政府の検閲用ファイアウォールを回避し、海外の YouTube などの Web サイトを自由に閲覧できる。
- IP アドレス が VPN サーバーのものに書き換わり、インターネットで安全に情報発信やWeb コンテンツを閲覧することができる。
- 暗号化により公衆無線 LAN を安全に利用できる。
VPN Gateの利点は一般的はVPN接続の利点と変わらない
実はこの利点ですが、一般的なVPNの機能と変わりません。
つまり、VPNを使った通信をしていると3つの利点が得られるということなのです。
そもそもVPNの一般的な機能として、通信の暗号化(利点の3)と通信先で見える自分のPCのIPアドレスがVPNサーバのIPアドレスに変わる(利点の2)があります。
また、VPNサーバのIPアドレスに変わることの『政府の検閲用ファイアウォールを回避』(利点の1)に関しては、どういうことかわかりにくいかもしれませんが、中国のインターネット事情で考えると分かりやすいと思います。
中国国内では、検閲が厳しくインターネットでTwitterやYoutubeなどが見れないように規制されています。
上記の図だと国が通信会社やプロバイダにアクセスしないように命令しているので、通信が遮断されます。
しかし、こちらのように動画サイトに接続する前に違う国へVPN接続することで見ることができます。
VPNはインターネットを使う通信としては同じですが、TwitterやYouTubeなどを見る時と違う通信を使います。
また、VPNを規制してしまうとその国の人達のテレワークなどを使った仕事ができなくなってしまうので規制している国は少ないです。
これを逆手に取るとTwitterやYouTubeを見たいけど規制されている国では、VPNの通信を使うことで規制している国から規制していない国に接続しているように偽装して見に行けるのです。
逆に日本でも海外の見れないサイトがあった場合に海外のVPNサーバを使うことで動画サイトなどを見ることができるということです。(海外版のHuluを見たい時など)
VPN Gateは上記の3つの利点ができるから特別というわけではなく、『無料』でVPNサービスを利用できることなのです。
VPN Gateで利用できるOSとVPNの通信方式
VPN Gateが利用できるOSとVPNの通信方式は、日本で主要で利用されているほとんどのOSをカバーしています。
下記に利用可能なOSとVPNの通信方式を記載します。
- Windows
- Mac
- iPhoneやiPadなどのiOS
- Android
- SSL-VPN(SoftEnter VPN)
- L2TP/IPsec
- OpenVPN
- Microsoft SSTP
ちなみに企業で多く利用しているLinuxOSやSolaris、AIXなどUNIX系のOSの記載はありませんでしたが、利用者は少数すぎるので記載が無いだけなのかもしれませんので、探してみれば接続方法はあるかもしれません。
VPN Gateは安全?危険?
『日本の筑波大学が研究のために公開してるサーバーだから安全でしょ?』と思われる方もいるかもしれませんが、安全とは言い難いです。
100%危険というわけではないですが、安全性を求めたVPN接続を考えている方はVPN Gateを利用しないほうがいいでしょう。
『なぜ、VPN Gateを利用しないほうがいいのか?』
その理由をこれからお話しましょう。
理由その① 研究用のVPNサービスであること
もちろん、研究用だからといって筑波大学のVPNサーバーが悪いわけではありません。
とはいえ、研究用だからこそ『試行錯誤しているもの』で、何かしらの脆弱性が潜んでいる可能性があるのです。
理由その② 無料だからこそ世界中の人が安易に利用できる
タダほど安いものは無いのですが、無料のサービスはたくさんの人が安易に利用できます。
たくさんの人と言ってもテスト的に利用したい人もいれば、悪意を持って利用する人も出てきます。
VPNサーバーにVPN接続することで公衆LANや公衆Wifiの通信は暗号化可能になりますが、VPNサーバー内でハッキングされたりすると通信内容が読まれてしまう可能性があります。
運悪くハッキングされたVPNサーバーに接続していると場合によってはクレジットカードの情報などの大切な情報が盗まれてしまうことがあるのです。
ただし、注意として有料のVPNサービスだから必ずハッキングが起きないかと言われるとそれも違います。
有料のVPNサービスでハッキングされた場合は何かしらの保障がある可能性はあるので、まだマシなのです。
理由その③ 利用者は海外の人が多い
筑波大学が研究用として構築しているシステムですが、VPN接続しているユーザーや協力しているVPNサーバーは海外が多いです。
海外の人たちを悪く言うことは無いですが、ウイルスを作成したりする国は日本より海外の方が多いです。
上記のリンクは情報が2007年の情報と古めですが、日本のニュースでウイルスを作成して捕まったニュースはあまり聞かないことからも日本で悪意を働く人は比較的少ないほうだと思います。
これは、日本はITのレベルが高いとは言えないことも一つあります。
話が少しそれてしまっていますが、攻撃者は「理由その①」でもお話ししたVPNサーバーの脆弱性を狙ってハッキングして、通信内容を読んでいる場合もあるのです。
安全なVPN通信を得るためには?
勘違いしてほしくないのは、VPN Gate自体を悪いものではありません。
通信は暗号化してくれますし、VPNの機能は働いています。
しかし、研究のために無料で利用できるため、セキュリティの全般としての信頼性が高いとは言いにくいのです。
そのため、仕事やネットショッピングなど会社の情報や個人情報を扱う際に、VPN Gateを利用することはオススメできないのです。
安全を得るためには、有料のVPNサービスをオススメします。
また、有料のVPNサービスは通信も安定していて、VPNを使っているからブツブツ切れることや遅くなってしまう心配もありません。
有料のVPNサーバーのオススメは下記になります。
↓下記記事のリンク
=====>Millen VPN
=====>グループ専用VPNサーバー
また、今ではアンチウイルスソフトを購入するとVPNサーバーも利用できるベンダーもあります。
VPNサーバーとアンチウイルスソフトを同時に考えている方は、VPNサービスが利用できるベンダーを探してみるのもいいかもしれません。